日本化学工業株式会社
サステナビリティ 環境

TCFD・TNFD提言に基づく情報開示

2026年6月1日

気候変動が経済・社会・環境に及ぼす影響は年々深刻さを増しております。世界規模で脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、企業にも確実な対応が求められております。

当社グループは、2022年10月、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)※1の提言に賛同を表明し、これに基づく情報開示を行ってまいりました。また、2025年7月、生物多様性に対する取り組みを強化することを念頭にTNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)※2の情報開示提言へ賛同し、「TNFD Adopter※3」に登録しました。ステークホルダーの皆さまに対しては、TNFD 提言とフレームワーク※4に沿って当社グループの気候変動関連、自然資本関連情報を開示しながら対話を進めてまいります。

※1:G20の要請を受けた金融安定理事会により設置された、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するための気候関連財務情報開示タスクフォース。

※2:企業・組織が自身の経済活動による自然環境および生物多様性への影響を評価し、情報開示する枠組みの構築を目指す国際イニシアチブ。

※3:TNFDの提言に沿った情報開示を行う意思をTNFDのWebサイト上で登録・宣言した企業・組織。

※4:TNFDフレームワークでは、企業の事業活動が自然資本や生物多様性との関係性(依存と影響)において、どのようなリスクと機会があるかを評価・開示することを求めている。

TCFDロゴ TNFDロゴ

ガバナンス

当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業となるため、CSR(企業の社会的責任)活動から、企業活動を通じた価値創造により、すべてのステークホルダーに貢献するサステナビリティ活動へ軸足を移し、スピード感を持った活動を推進するため、2022年にサステナビリティ推進委員会を設置しました。

サステナビリティ推進委員会は、社長が委員長となり、サステナビリティ基本方針をはじめとしたサステナビリティに関する事項の審議を行います。サステナビリティ推進委員会の下にサステナビリティ委員会を設け、気候変動や生物多様性を含む自然資本への対応、環境貢献製品の認定など、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。取締役会は、サステナビリティ推進委員会で審議された重要事項についての報告や提言を受け、気候変動関連および自然資本課題への対応方針および実行計画等についても指示・監督を行っていきます。

ガバナンス体制

ガバナンス体制 ガバナンス体制

リスクの影響と管理

当社グループでは、リスク管理規程に基づき、事業の特徴や事業を取り巻く環境を考慮しながら、リスクが事業活動に与える影響度を分析し、サステナビリティ推進委員会の枠組みの中でリスクを管理しています。各部門において気候変動関連・自然関連リスクを含むすべてのリスクを洗い出し、各部門の責任者からなる会議体(本部長会議)により、それらリスクを分類し一覧にまとめ、発生頻度のレベル、影響度のレベル、コントロールのレベルによって評価しています。評価されたリスクについて、原因・予知・訓練・再発防止等の根本的な解決策をサステナビリティ推進委員会で検討することにより、問題の発生を未然に防ぐ対策を講じています。リスクの評価は年に1回の頻度で行います。

気候変動に関するリスクについてはシナリオ分析に基づいて、自然関連リスクについては直接操業、バリューチェーン上流の客観的・定性的な重要性に着目し調査地域を特定し、それらのリスクを評価しました。

2025年7月に制定したCSR調達ガイドラインを基に、サプライヤーと協働しながら環境負荷低減に取り組んでいます。また、気候変動リスクの定量的な把握を行うために、2024年4月よりインターナルカーボンプライシング(ICP)制度を導入しました。低炭素・脱炭素設備の設備投資計画において、ICP(3,000円/MT-CO₂換算)を適用して費用換算し、投資判断指標のひとつとして運用しています。

戦略1. 気候変動

近年地球温暖化が原因と思われる大規模な山火事や洪水が世界中で多発しており、気候変動が社会に及ぼす影響は年々深刻さを増しています。地球温暖化防止のため、国際社会は脱炭素社会の実現に向け、各国や企業に対して対応を求めています。

当社グループも、気候変動への対応は重要な事業課題であると捉え、2030年度の温室効果ガス(GHG)排出量を2020年度比で23%削減することを目標に掲げました。また、環境課題の解決に貢献する製品、ライフサイクル全体を通して環境改善に貢献する製品を「環境貢献製品」と定義し、これらを積極的に市場へ提供する方針を立て、環境貢献製品の対全売上高比率をKPIに掲げ、全社で取り組んでいます。

ステークホルダーの皆さまに当社グループの活動内容をご理解いただくため、今後もGHG排出削減の経過報告、廃棄物の発生量や環境負荷物質の排出量、環境貢献製品の売上比率など、気候変動関連の情報を開示し、当社グループの企業価値向上に努めてまいります。

1.5℃シナリオ※1

気候変動に対し厳しい対策が取られ、2100年時点において、産業革命時期比の気温上昇が1.5℃程度に抑制されるシナリオ。気候変動対応が強められ、政策規制、市場、技術、評判等における移行リスクが高まるシナリオ。

※1:インパクトを試算する際のパラメーターは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)の情報を参考にRCP2.6シナリオを使用。

脱炭素シナリオ(1.5℃)においては、政府の環境規制強化に伴う炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による電力価格上昇など費用の増加、世界規模での地球温暖化対策が講じられることによる資源調達費用の増加が想定されます。

一方で、当社グループの成長分野の製品である電子セラミック材料、ホスフィン誘導体などの環境貢献製品については、市場からの要求がこれまで以上に高まりビジネスチャンスが増えていくものと考えています。また、当社グループでは、当社グループの生産工程で排出されるCO₂の削減を重要な課題と認識しており、再生可能エネルギーの活用や製造現場における脱炭素技術導入などにより、CO₂の削減に取り組んでいます。調達面においては、サプライヤーとのコミュニケーションを通じて、安定調達を継続しつつ原材料にかかわるCO₂の削減を目指してまいります。

4℃シナリオ※2

気候変動への厳格な対策が取られず、2100年時点において、産業革命時期比で4℃程度気温が上昇するシナリオ。自然災害の激甚化、海面上昇や異常気象の増加などの物理的リスクが高まるシナリオ。

※2:インパクトを試算する際のパラメーターは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、IEA(国際エネルギー機関)の情報を参考にRCP8.5シナリオを使用。

自然災害は、発生の予測が難しく、一度発生すれば、当社グループの製造拠点が被災し、化学物質の漏洩など甚大な被害をもたらす可能性があります。設備損傷や化学物質漏洩による操業停止などを回避するためには、災害対策に関する設備投資が必要となり、これによる製造コスト上昇も想定されます。温暖化進行シナリオ(4℃)では、この傾向はさらに強まることが想定されます。

当社グループでは洪水や暴風雨などの災害が発生した際に対応ができるよう、専門の委員会を設置しBCP(事業継続計画)を策定し、緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。引き続き、BCP体制の継続的改善を推進していきます。

リスクと機会

気候変動1.5℃シナリオと4℃シナリオにおけるリスクと機会を下記に示します。

(1)気候変動1.5℃シナリオ(移行リスク・機会)
機会の項目 世の中の変化 想定されるシナリオ リスク 機会 発生時期
政策・法規制 GHG排出量・環境配慮に関する規制強化 規制対応にかかるコスト、脱炭素移行コストの発生 中・長期
市場・技術 炭素税、排出権取引の導入 炭素税、排出権取引の導入コストの発生 中・長期
低炭素・脱炭素移行の急進 設備投資、再生可能エネルギー転換コストが発生 短・中期
業界団体・政府によるカーボンニュートラル宣言 再生可能エネルギーの活用によりCO₂削減が促進される 短・中期
脱炭素関連製品の開発・普及 脱炭素化市場の拡大に伴い、当社の環境貢献製品の売上げが増加し、収益が向上 中・長期
資源価格の高騰 低コストで製造可能な生産国の海外企業が台頭し、当社の競争力が低下 長期
原材料の調達コストが増加 中・長期
(2)気候変動4℃シナリオ(物理リスク・機会)
機会の項目 世の中の変化 想定されるシナリオ リスク 機会 発生時期
評判 脱炭素未対応、CO₂高排出企業への評価が厳格化 川下産業でバリューチェーン全体のCO₂削減が求められ、当社および生産ラインでの取り組みによって需要が変動 中・長期
慢性 降水・気象パターンの変化(降雨量の増加、平均気温の上昇) 降雨量増加時における従業員の安全性の確保 長期
操業が停止あるいは生産量が低下すると、売上げの減少、製造設備に対する減損損失が発生するリスクがある 長期
急性 自然災害(台風、山火事、洪水、暴風雨)の激甚化および増加 自然災害により原燃料の供給が停止 長期
工場被災による化学物質の漏洩リスクが発生 長期
主要拠点において、災害対策に関する設備投資コストの発生 中・長期

◎ : 影響が大きい ○ : やや大きな影響 △ : 影響は軽微

  • ※影響が大きい:事業および財務への影響が非常に大きくなることが想定される
  • ※やや大きな影響:事業および財務への影響がやや大きくなることが想定される
  • ※影響は軽微:事業および財務への影響は軽微であることが想定される
  • ※短・中期:現在~2030年以内に発生する可能性が高い
  • ※中・長期:2030年~2050年の間に発生する可能性が高い
  • ※長期:2050年以降に発生する可能性が高い

指標と目標1.気候変動

当社グループでは、脱炭素社会の実現に向けて、パリ協定で求められるCO₂排出削減レベルを考慮し、Scope1(事業活動による直接排出)およびScope2(購入した電力使用などによる間接排出)の排出量について、2020年度の排出量63,356tを基準に、「2030年度23%削減」の目標を設定しました。

2024年度の当社グループのGHG排出量はScope1が27,597t、Scope2が23,821t、合計51,418tで、前年度より若干増加しました。

社内の省エネ、節電を心掛けるとともに、再生可能エネルギーの活用や製造現場における脱炭素技術の導入などにより、GHG排出量を削減し、脱炭素社会の実現を目指します。

GHG排出量と中期削減目標 (2025年度の排出量は現在算定中)

GHG排出量(t)

GHG排出量(t) GHG排出量(t)

Scope3のカテゴリ別内訳

Scope/カテゴリ カテゴリ 2022年度
CO₂排出量
2023年度
CO₂排出量
2024年度
CO₂排出量
(t-CO₂) (t-CO₂) (t-CO₂)
Scope3 全カテゴリの合計 212,874 190,722 217,211
Scope3
内訳
カテゴリ1 購入した製品・サービス 163,369 145,798 179,636
カテゴリ2 資本財 13,185 8,260 8,630
カテゴリ3 燃料およびエネルギー関連活動
※Scope1,2 に含まないもの
10,986 9,367 6,981
カテゴリ4 輸送、配送(上流)
※調達物流、横持物流、自社が荷主の出荷物流
19,587 21,202 16,183
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 600 816 703
カテゴリ6 出張 222 318 438
カテゴリ7 雇用者の通勤 588 676 550
カテゴリ8 リース資産(上流) 算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ9 輸送、配送(下流)
※出荷輸送(他社が荷主輸送)、倉庫での保管、小売店での販売
算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ10

販売した製品の加工

算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ11 販売した製品の使用 算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ13 リース資産(下流) 4,338 4,286 4,091
カテゴリ14 フランチャイズ 算定対象外 算定対象外 算定対象外
カテゴリ15 投資 算定対象外 算定対象外 算定対象外

※ 2022年度排出量は、第三者保証は受けておりません。

当社グループのCO₂排出量はGHGプロトコルに基づいて算出しており、信頼性と透明性の向上のため第三者機関による検証を受けています。

戦略2. 自然資本

LEAPアプローチ

当社グループでは、自然資本に関する評価・管理を行うために、TNFDが開発したLEAPアプローチを使用して解析を行いました。LEAPアプローチは、Locate(自然との接点の発見)、Evaluate(自然への依存と影響の特定・評価)、 Assess(自然に関するリスクと機会の評価)、Prepare(対応と報告の準備)の4つのプロセスから構成されます。

Locate:自然との接点の発見

Locateフェーズでは、直接操業とバリューチェーン上流(原料、燃料)を対象範囲としました。直接操業として、国内生産拠点4ヵ所すべてを選定しました。バリューチェーン上流については、SBTs for Nature(SBTN)※1が公表しているHigh Impact Commodity List※2に掲載されている商品を提供し且つ当社グループ事業に関係が深いサプライヤー、売上比率の高い製品の原燃料のサプライヤー計8社を選定しました。これらの周辺の自然の状態を下記のツールで分析し、要注意地域の特定を行いました。

  • ※1:企業や都市が科学に基づいて自然関連目標を設定することを促すフレームワーク。
  • ※2:SBTNが自然への影響が大きいとされるコモディティ(原材料)をリスト化したもの。

要注意地域の特定には、SBTNで推奨されている分析ツールやデータベースを使用しました。要注意地域として、TNFD提言が挙げる以下5つの基準のうち1つ以上に当てはまる場所を特定しました。

  • 生物多様性にとって重要な地域(分析ツール:IBAT※1
  • 生態系の完全性が高い地域(分析ツール:GFW※2
  • 生態系の完全性が急速に低下している地域 (分析ツール:GFW)
  • 物理的な水リスクが高い地域(分析ツール:Aqueduct※3
  • 先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域(分析ツール:GFW)
  • ※1:Integrated Biodiversity Assessment Tool (生物多様性評価ツール)の略。
  • ※2:Global Forest Watch(高解像度の衛星画像を利用して地球規模で森林をモニタリングするオンラインシステム)の略。
  • ※3:WRI(World Resource Institute:世界資源研究所)が提供する水リスクに関するデータプラットフォーム。

分析ツールやデータベースを使用して得た分析結果を基に、以下のように優先地域を特定しました。

優先地域のまとめ

生産拠点名 所在地 要注意地域の特定
生物多様性にとって
重要な地域
生態系の完全性 物理的な水リスクが
高い地域
重要な生態系
サービスの提供
福島第一工場 福島県郡山市 国内生産拠点は4ヵ所あり、いずれもIBATの複数の分析指標に該当している そのため、生物多様性の重要性は高いと考えられる 生態系の完全性が高くはなく、急速に低下している地域ではない 水リスクの高い地域ではない 先住民、地域社会、ステークホルダーへの便益を含む、生態系サービスの提供にとって重要な地域ではない
福島第二工場 福島県田村郡 生態系の完全性が高くはないが、急速に低下している可能性がある
愛知工場 愛知県知多郡 生態系の完全性が高くはなく、急速に低下している地域ではない
徳山工場 山口県周南市 生態系の完全性が高くはなく、急速に低下している地域ではない
サプライヤー
(上流)
8ヵ所
(世界)
8社中6社は、IBATの複数の分析指標に該当している そのため、生物多様性の重要性は高いと考えられる 8社すべてが生態系の完全性が高くはなく、急速に低下している地域ではない 8社中1社は水ストレスに該当し、1社は河川の洪水リスクに該当する地域である

Evaluate:自然への依存と影響の特定・評価

自然関連への依存・影響を特定するために、ENCORE※1を用いて調査し、それぞれヒートマップにまとめました。

※1:ENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure)
金融機関のネットワーク「自然資本金融同盟」と国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCSC)が共同で開発したツールで、潜在的な自然への依存・インパクトのリストやフロー図等を入手することができる。

ENCOREによって得られた情報(ヒートマップ)を基に、当社グループの直接操業、バリューチェーン上流(原料、燃料)における自然への依存度と影響度を特定・評価しました。

自然への依存度については、直接操業とバリューチェーン上流(原料)において全ての項目が中程度以下であり、サプライチェーン上流(燃料)において「水質浄化」が高い、他の項目が中程度以下という結果になりました。

自然への影響度については、直接操業とバリューチェーン上流(原料)において「土壌・水質汚染物質」、「外乱(騒音、光など)」が特に高い、他の項目は中程度以下、バリューチェーン上流(燃料)において「土壌・水質汚染物質」、「外乱(騒音、光など)」が特に高い、「GHG以外の大気汚染物質」が高い、他の項目は中程度以下という結果になりました。

依存に関するヒートマップ

依存に関するヒートマップ

影響に関するヒートマップ

影響に関するヒートマップ
Assess:自然に関するリスクと機会の評価

リスクと機会の洗い出しにおいてTNFDのガイダンスを参考にシナリオ分析を行いました。シナリオ策定にあたっては、市場と非市場の一貫性(移行リスク)、生態系サービスの低下(物理リスク)の度合いに基づき4つのシナリオに分けて分析しました。

下記の中で最も実現可能性が高いと考えられる「シナリオ2」を想定し、Locateで特定した優先地域とEvaluateで特定、評価した自然への依存度と影響度の調査結果を踏まえ、当社グループのリスクと機会の時間軸の定義※1を考慮し、当社グループにとって重要と思われる自然資本に関するリスク及び機会を特定しました。さらに、特定したリスクや機会への対応策を、当社の事業内容、事業地域、バリューチェーンを考慮して検討しました。

※1:短期(3年未満)、中期(3年を超え10年先まで)、長期(10年を超え30年先まで)と定義している。

TNFDシナリオ分析

TNFDシナリオ分析 TNFDシナリオ分析

自然に関するリスクと機会のまとめ

リスク
/機会
対象
領域
依存と影響の
重要な項目
リスク/機会の種類 発生
時期
リスク/機会要素 対応策
リスク 上流 自然関連の
規制の強化
移行リスク 市場・技術 中・長期 原燃料生産地域における環境規制の強化により調達コストが上昇する サプライヤーエンゲージメントを強化しサプライヤーと対応策を講じる
水ストレス、洪水 物理リスク 慢性 中・長期 原材料生産地域における水課題起因による供給の不安定さ 調達地域およびサプライヤーの多元化により調達リスクを軽減させる
直接
操業
温室効果ガスの
排出
移行リスク 市場・技術 中・長期 生産活動起因のGHG排出量が減らせない場合、炭素税や排出権にかかわるコストが増加する 生産性の改善、再エネの利活用や脱炭素設備の導入などによりGHG排出量を削減させる
固形廃棄物の
発生と放出
移行リスク 評判 長期 固形廃棄物縮減・循環経済に対する自治体・市民からの声が高まり、廃棄物処理費用が上昇する 生産性の改善、リサイクルの促進などで固形廃棄物を減らす
水の供給 物理リスク 慢性 中・長期 生産に必要な水が確保できないことにより製品の製造が制限される 水原単位の把握水の効率的な利用を進め水使用量を削減する貯水量の確保や水源の多元化により安定的に水を確保する
洪水や暴風雨 物理リスク 急性 中・長期 主要生産拠点において災害対策コストが発生する 災害に備え普段から設備と緊急資材の補強を行う対応手順の標準化と教育・訓練を行う
洪水や暴風雨 物理リスク 慢性 長期 洪水により操業が停止あるいは生産量が減り売上げが減少、また製造設備に対する減損損失が発生する 災害に備え普段から設備の補強を行う
水質浄化 物理リスク 慢性 長期 取水の水質が悪化することによる製品品質の低下や、水質を浄化するためのコストが発生する 貯水量の確保、行政機関との協議
機会 上流 カーボン
ニュートラル
移行機会 市場・技術 中・長期 原燃料サプライヤーにおける脱炭素化により環境規制をクリアする サプライヤーの製造拠点における再エネの利活用
直接
操業
脱炭素関連製品の
開発・普及
移行機会 市場・技術 中・長期 脱炭素化市場の拡大に伴い、当社の環境貢献製品の売上げが増加し収益が向上する 環境貢献製品の開発・販売促進、プロセスの改良、リサイクルの促進
カーボン
ニュートラル
移行機会 市場・技術 短・中期 カーボンニュートラルへの取り組みがステークホルダーから評価され、市場での価値が向上する 再エネの利活用や工程改良などにより当社製品に係るGHG排出量を低減する

指標と目標2. 自然資本

Prepare:対応と報告の準備

特定したリスク/機会の解析結果を踏まえ、さらに当社グループの中長期戦略を考慮して最も重要と思われる自然資本に関する指標と目標を選定しました。これらの課題に対してはマテリアリティを特定しKPIを掲げて取り組んでいます。社内リソースを適正に分配しながらKPIの達成を目指します。

自然資本に関する指標と目標

項目 指標 目標 2024年度実績
GHG排出量 Scope1,2 2030年度のGHG排出量を
2020年度比で23%削減する
18.8%
環境貢献製品
対売上高比率
環境貢献製品として
社内認定した製品の売上げ
2025年度の環境貢献製品
対売上高比率を14%以上とする
11.3%

その他の指標については、TNFDグローバル中核開示指標を参考に開示を行うとともに、環境負荷の低減を図っていきます。

依存と影響に関するグローバル中核開示指標

依存・影響の指標 範囲 単位 2022年 2023年 2024年
GHG排出量(Scope1+2) 単体 t-CO₂e 60,319 50,545 51,418
土壌汚染物質(PRTR対象物質) 単体 トン 0 0 0
水質汚染 排水量 単体 千m³ 1,629 1,712 1,655
COD 単体 トン 5.6 7.1 5.8
全りん 単体 トン 3.4 3.2 3.2
全窒素 単体 トン 13.3 14.6 13.0
PRTR対象物質 単体 トン 0.066 0.056 0.059
廃棄物 産業廃棄物総排出量 単体 トン 9,056 11,732 11,023
特別管理産業廃棄物総排出量 単体 トン 1,110 1,968 1,208
焼却処分 単体 トン 3,384 5,157 4,712
埋立処分 単体 トン 757 1,719 840
その他の処分方法 単体 トン 1,581 1,654 1,920
処分方法不明 単体 トン 0 0 0
リサイクル量 単体 トン 3,322 3,290 3,780
大気汚染 揮発性有機化合物 (VOC) 単体 トン 12.9 7.5 10.5
NOx 単体 トン 10.8 11.5 11.3
SOx 単体 トン 0.9 1.2 1.2
ばいじん 単体 トン 2.5 2.5 2.1
PRTR対象物質 単体 トン 4.2 1.7 1.5
コンプライアンス違反 単体 0 0 0
製造過程における有害廃棄物のリサイクル 単体 0.277% 0% 0.477%
使用済み有害廃棄物のリサイクル 単体 36.2% 27.8% 34.3%

今後もTNFDフレームワークを参考に当社グループの気候変動、自然資本に関する積極的な情報開示を行ってまいります。また、ステークホルダーの皆さまから頂いたご意見を参考に、サステナビリティ活動の改善・推進を図り、持続可能な社会の実現を目指してまいります。